わからんコロシとはこういうことか #002 1.0k
もう何がきっかけだったか忘れたけれど、当時それほど親しいわけではなかった同級生Kの家に、幼馴染Mと遊びに行ったときの話。高校には入ってたと思う。
同級生数名が集まっておりテレビゲームをしていたのだが、やたらと大きいテレビにコントローラだった。(思い出すと、お金持ちだったのかなとも思う)
画面には2名のキャラクターがどうやら闘っていた。餓狼伝説2か餓狼伝説スペシャルだったと思う。どういう経緯で彼らがこのゲームを知ったのか、そこは少し興味がある。当時自分は家庭用ゲームと言えばスーパーファミコンくらいで、ネオジオなどまったく聞いたこともなかったのだ。
覚えているのはせんべいを投げる老人(山田十兵衛)とハカマ姿の外人(ギース・ハワード、やたら露出の多い女性忍者?(不知火舞)などをガチャガチャいわせながらコントロールする同級生たち。せんべいの合間にやたら派手な背負い投げを放つ山田十兵衛、花鳥扇?の合間に火の玉になってつっこんでくるくノ一、それに烈風拳という飛び道具をはなつ怪しげな欧米人。
プレイさせてもらったのは数回。当時それほど親しくなかったし、レバーのコントローラも触ったことなく、波動拳すら満足に出すことができない僕には違う世界のモノにすら思えたから。
結局、ここでプレイした内容は覚えていない。
ただ後日このゲーム一式をMがKから借りたというので、遊びに行ってみたのは思い出した。思い出しただけで腹が立ったが。
動かし方がよくわからないまま適当にプレイする僕は、されるがままのサンドバッグである。当時スーパーファミコンは保有しており、何度かストリートファイター2で遊んだ経験はあった。通常のコントローラーで波動拳をやっと出せるくらいのレベルだったと思うが、まぁその程度だ。
レバーキーを後ろに入れれば防御姿勢を取るが、技の出し方、やライン移動の方法など何もわからないまま。お互いに適当だと思ったが、知識の有無で動きは全然違うものだし一方的にボコボコやられる数時間。そりゃふざけんなという気分にもなり、結局ストレスだけをためて家に帰ったのだ。
家庭用ネオジオとの出会いは、あまり気持ちの良いものではなかったのだな…
その数年後には中古品を購入し、自宅で楽しむようになっていたのだから、何がどうなるかわからない。この頃の鮮烈な記憶が残っていたのかもしれない。ちょっとしたリベンジ気分なんだろうか。
それでも格ゲーは青春の1ページだったと言わざるをえない #001 1.1k
あと数年で不惑ながら、2016年のGWに帰省した際に実家の本棚を未だにうめ続けるのは新声社の格闘ゲームを題材にしたムック本である。毎年どうにかせにゃと思いながらどうにもできず。
これは学生時代に買い集めたものであるが、捨てられないままはや10年、いや20年近く。ほとんど絶版であり、でも市場価値はほどんどない。たぶん断捨離ではダメなパターンの典型。
たぶん一番読み込んだのは、「ストリートファイターⅢ サードストライク」の2冊。これを読み連続技を練習し、他に無いかとネットの掲示板で探し、ムービーやDVDを見て研究していた。一日のうち何割かの時間をこれに費やした頃が確かにあった。
他には積み上げたままの新声社刊、当時隔週発行のゲーム雑誌「ゲーメスト」、それから派生したコミック雑誌「コミックゲーメスト」から刊行されたコミックの数々。大事にしているのは「4コマグランプリ」(全11巻)や天獅子悦也の「龍虎の拳」シリーズ、「ギース・ハワード」シリーズなど。このころ次々とリリースされた格闘ゲームを題材にアンソロジーコミックが乱発されたのだけども、それを買い集めることに熱中していたんだな…
ゲーメストが休刊してからは、並行して購入していた「ネオジオフリーク」に集中して、こちらはポスターがついてくるのを部屋に貼りまくってた。未だに貼ったままのリアルバウト餓狼伝説2のリ・シャンフェイ。
なにやってたんだ、無駄な時間を過ごしたと、切り捨てるのは簡単なんだけども、かけた時間がかなり大きいので、これはある意味青春だったなと気づく。それなりに時間を共有した友人がおり、切磋琢磨したと言えないこともない。
今では年に一度会うか会わないか。会った時にもはや格闘ゲームの話をすることもなくなったが。ただ、彼らとは一晩中対戦し続けたり、学校帰りにたまり場になっていたゲームセンターで対戦したり、アツい時間を過ごしたんだ。
あれはいったいなんだったんだか
すこし詳細に思い返すことにしてみた。
一番やりこんだタイトルは「ストリートファイターⅢ」と「リアルバウト餓狼伝説」そして「KOF95」と「KOF96」だった。大阪のゲームメーカーCapcomとSNKからリリースされた名作。
リアルバウトでキャンセル技を覚え、ゲーム速度の速いKOFやストリートファイターでさらに練習を重ね、スーパーコンボや超必殺技のキャンセルをたまにできるようになると、それまでやったことのなかったタイトルに手を出したりして、そこまで至ってやっと「餓狼伝説スペシャル」や「ストリートファイターゼロシリーズ」が名作だということに気づいたのだった。
覚えているものだね。